TOEIC Part 5 の25秒の落とし穴:Incomplete Sentences
時計をちらっと見ます。残り12分半、あなたは Part 5 の117問目にいます。問題文はベンダー契約に関する、ごく普通のビジネス文です。四つの選択肢は apply、applies、applied、applying。この動詞の意味は分かっています。10代の頃からずっと分かっています。それなのに、まさにこの瞬間、文の主語が単数の一致を求めているのか複数なのか思い出せません。なぜなら主語は左に6語離れたところで、分厚い前置詞句の下に座っているからです。
あなたは B を塗ります。B であることを願います。先へ進みます。なぜなら Part 5 には30問あり、あなたはまだ、喉元に襲いかかってくる読解パッセージのための余裕を1秒たりとも買えていないからです。
それが25秒の落とし穴です。Part 5 は TOEIC で最も難しいセクションではありません。最も速いセクションです。そして落とし穴は、速さと自信がぶつかるまさにその瞬間のために設計されています。
これが TOEIC のリスニングとリーディングのどこに出るか
この落とし穴が住んでいるのは Part 5: Incomplete Sentences ── 一文の空欄補充が30問あり、読解セクションの残りに少しでも息継ぎの余裕がほしいなら、おおよそ12〜13分で片付けなければなりません。
同じ落とし穴の一族は Part 6: Text Completion にも現れます。そこでは空欄が周囲の段落にも合致しなければならず、1空欄あたり45秒近くあります。Part 7: Reading Comprehension の「vocabulary-in-context」問題にも顔を出します。しかし落とし穴が最も大きく開いているのは Part 5 です。なぜなら助けてくれる周囲の文脈がないからです。この一文があなたの手にする全てです。
25秒の予算が最も厳しく罰する四つの落とし穴がこちらです。
落とし穴1:綴りが似た選択肢(Close-Spelling Distractors)
定番です。
The proposal will be reviewed by the committee before it ___ approved.
A. is B. are C. being D. been
四つの選択肢はすべて to be の形で、そのうち三つはほとんどもっともらしく感じられます。Being approved はなんとなく受動っぽく聞こえます。Been approved はなんとなく完了形っぽく聞こえます。空欄に合うのは一つだけで、ここに必要なのは現在の受動の定形動詞、すなわち is approved です。
この落とし穴が効くのは、時間に追われるとあなたが選択肢を完全な形として読むのをやめ、形で照合し始めるからです。Apply / applies / applied / applying も同じ「形」攻撃です。Quickly / quick / quicker / quickest は同じ攻撃の比較形バージョンです。
対策は機械的です。選択肢を読む前に、空欄の文法的な役割を特定すること。定形動詞か? なら being と been は即座に消えます。主語は it(単数)か? なら are は消えます。残るは一つです。おそらく12秒ほどしか使っておらず、四つの選択肢を互いに比べる必要もありませんでした。
時間に追われる多くの受験者は逆をやります。まず四つの選択肢を全部読み、それから問題文に戻り、目を細めます。その操作の順序こそが落とし穴です。
落とし穴2:コロケーションで釣る前置詞(Collocation-Baited Prepositions)
前置詞の落とし穴については別の記事が丸ごとあり、ここでその作業を繰り返すことはしません。ただ Part 5 が最も頼りにするバージョン、すなわち**コロケーションの餌(collocation bait)**には触れておく価値があります。
The team is responsible ___ the quarterly report.
A. of B. for C. with D. to
四つともごく普通の英語の前置詞です。そのうち三つはどこかの形容詞の後に来ます。しかし responsible が取るのは for で、for だけです。その場で導き出せる規則はありません。コロケーションを知っているか、当てずっぽうかのどちらかです。
だからこそ前置詞の語彙は推論の課題ではなく暗記の課題なのです。「形容詞 + 前置詞」と「動詞 + 前置詞」のペア(depend on、consist of、interested in、familiar with)のデッキを作り、冷えた状態で繰り返し練習しましょう。時間に追われると、脳はその正確なコロケーションで最も頻繁に聞いた前置詞に手を伸ばします。responsible for を千回聞いていなければ、脳は喜んで responsible of を差し出してきます。
(by/until/within のパターンと、時間 vs 空間の区別については、前置詞の落とし穴を掘り下げた記事をご覧ください ── あれらは Part 5 のタイマーともっと厄介な形で絡み合います。)
落とし穴3:長い修飾語の下での主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement Under a Long Modifier)
冒頭の場面で117問目を食べたのが、この一族です。
The list of approved vendors ___ posted in the lobby every Monday.
A. are B. is C. have been D. were
主語は list。単数です。動詞は is。
しかし空欄に最も近い名詞は vendors。複数です。時間に追われると、目は最も近い名詞に手を伸ばします。最も近い名詞こそ、作業記憶がちょうど読み終えたばかりのものだからです。この落とし穴の構造的な狙いは、主語と動詞の間に修飾語を滑り込ませることそのものにあります。修飾語が長いほど、落とし穴は確実になります。
注意すべきパターン:
- The list / set / group / number / range / variety of [複数名詞] ── 単数動詞。
- One of the / each of the / either of the / neither of the [複数名詞] ── 単数動詞。
- Both of the / many of the / several of the [複数名詞] ── 複数動詞。
試験当日のより速い手は、動詞を選ぶ前に前置詞句を頭の中で括弧で囲んで外すことです。The list of approved vendors ___ posted. これで主語は裸になり、一致は明白です。
落とし穴4:分詞の混同(Interested vs Interesting)
これは実力のある受験者でさえ引っかかる落とし穴です。なぜなら二つの分詞形は、どちらも文法的に成立しうる形容詞だからです。
The board members were ___ in the new automation proposal.
A. interest B. interesting C. interested D. interests
役員たちはその感情の経験者であって、感情の源ではありません。ですから彼らは interested であって interesting ではありません。Interesting なのは提案のほうです。役員たちはそれに interested です。
ルール:
- -ed 分詞は感情を経験する人や物を表します。
- -ing 分詞は感情を引き起こす人や物を表します。
ですから:
- The proposal is confusing. The team is confused by the proposal.
- The film was boring. The audience was bored.
- The results were surprising. The CEO was surprised by the results.
Part 5 の選択肢パターンはほぼ必ず -ed と -ing の両方の形を提示してきます。残る二つの選択肢はダミーです。本当の選択はその二つの間にあり ── 問われるのはいつも誰が経験し、誰が引き起こしているかです。
Wrong / Better / Why
| 誤 | より良い | 理由 |
|---|---|---|
| The list of approved vendors are posted. | The list of approved vendors is posted. | 主語は list で単数。修飾語の中の複数名詞は囮。 |
| The team is responsible of the report. | The team is responsible for the report. | Responsible は前置詞 for を取る。純粋なコロケーション。 |
| The board members were interesting in the proposal. | The board members were interested in the proposal. | 役員たちは感情を経験する。-ed 形。 |
| The proposal will be reviewed before it being approved. | The proposal will be reviewed before it is approved. | 空欄には定形動詞が必要。Being と been は定形ではない。 |
| Each of the candidates have submitted a resume. | Each of the candidates has submitted a resume. | Each of the は単数の一致を取る。 |
試験当日の戦略
Part 5 には30問あり、目標時間はおおよそ12〜13分です。つまり1問あたり約25秒です。25秒あれば、問題文を読み、空欄の文法的な役割を特定し、答えを予測し、四つの選択肢にちらっと目をやり、確認し、クリックするのに十分です。すべての選択肢を注意深く読んで比べるには足りません。
ペース配分の三つのルール:
- 選んだ後に文全体を読み直さないこと。30秒が消えるのはここです。クリックしたら、それで終わりです。そのクリックを信じましょう。
- 空欄のすぐ周りの語から役割を特定すること。空欄の直前と直後の語が、ほぼすべてを教えてくれます。The list of approved vendors ___ posted. 後ろの語は過去分詞。必要なのは be 動詞。主語は list。is を選びます。
- 30秒で解けないなら、印をつけて進むこと。当てずっぽうで構いません。立ち止まることが致命傷です。セクション末尾の Part 7 の複数パッセージのセットが、Part 5 で浪費した1分ごとに容赦なく罰してきます。
ミニ練習
The set of guidelines ___ been updated to reflect the new policy.
- A. have
- B. has
- C. were
- D. having
The audience was extremely ___ by the keynote speech.
- A. impress
- B. impressing
- C. impressed
- D. impression
Each of the new employees ___ a personalized onboarding plan.
- A. receive
- B. receives
- C. receiving
- D. are receiving
Answer key
1. B (subject is "set," singular; "has been" is the right perfect form)
2. C (the audience experiences the feeling; -ed form)
3. B ("each of the" forces singular agreement)
まとめ
- Part 5 は難しいのではなく速い。落とし穴は時計です。
- 選択肢を読む前に、空欄の文法的な役割を予測する。
- 動詞を選ぶ前に、長い修飾語を括弧で外す。
- -ed は経験者を表す。-ing は原因を表す。
- 30秒で解けないなら、印をつけて進む。Part 7 のために余裕を残す。
1問25秒がまだ理論上のものに感じられるなら、唯一の対策は本物の計時です。ExamRift で Part 5 のセットを本番ペースで繰り返し解き、1問あたりの平均が下がっていくのを見て、末尾で待ち受ける読解パッセージに必要な時間を貯め始めましょう。https://examrift.com 。
