1 つの動詞に十通りの意味:句動詞の本当の仕組み

1 つの動詞に十通りの意味:句動詞の本当の仕組み

あなたはもう "take" という単語を知っています。何年も前に習いましたよね。それなのに、なぜ "take off"、"take over"、"take in"、"take after" は、まるで初めて出会う 4 つの単語のように感じられるのでしょうか。ようこそ、句動詞の世界へ。ここは、小さくて馴染み深い単語たちが、こっそりそれぞれ十もの意味へと増殖していく場所です。仕組みさえ見えてしまえば、ごちゃごちゃした句動詞の群れ全体が、だんだん筋の通ったものに見えてきます。

さくっと結論

句動詞とは、動詞に小さな不変化詞(upoffinoverout のような前置詞や副詞)が組み合わさり、動詞単独とは違う意味を生み出すものです。動詞が「根っこのエネルギー」を供給し、不変化詞がそのエネルギーをある方向へ曲げます。何百ものバラバラの項目を丸暗記する代わりに、ファミリー(1 つの基本動詞から育つすべての意味)ごとに学べば、カオスがパターンに変わります。

大きなアイデア

たとえば get という動詞を考えてみましょう。単独では「得る」「着く」という意味です。ここに不変化詞を足して、意味がどう広がるか見てみてください。get up(起きる)、get over(立ち直る)、get by(なんとかやっていく)、get along(仲良くする)。基本動詞は元の意味の糸を一本残し、それぞれの不変化詞がその糸を新しい場所へ引っ張っていきます。Up はしばしば完了や上昇を示します。Off はしばしば分離や出発を示します。Out はしばしば現れることや取り除くことを示します。Over はしばしば横切ることや終えることを示します。

こうした不変化詞の意味は完璧に一貫しているわけではありません。そこが落とし穴なのですが、それでも直感を働かせるには十分なくらいには一貫しています。新しい句動詞に出会ったとき、動詞のエネルギーと不変化詞の方向を感じ取れば、その意味を半分くらいは言い当てられることが多いのです。

注意して見るべき層が 2 つあります。

  • 文字どおりの意味。 言葉がそのまま示すとおりの意味です。"She walked out of the room"(彼女は部屋から外へ出た)── 彼女は物理的に出ていきました。
  • イディオム的な意味。 言葉が組み合わさって、完全には予測できない意味になります。"The deal fell through"(取引は流れた)── 物理的に何かがどこかへ落ちたわけではなく、取引が破談になったのです。

多くの句動詞は文脈によって両方の意味を持ちます。"The fire went out"(火が消えた)と "We went out last night"(昨夜は遊びに出かけた)。同じ不変化詞でも、まったく別の世界です。自分が今、文字どおりの領域にいるのか、それともイディオム的な領域にいるのかを見分けることが、勝負の半分です。

分離可能か分離不可能か

ここで、ほとんどの人がつまずく構造上の事実を紹介します。句動詞には、目的語をあいだに挟んで分離できるものと、できないものがあるのです。

  • 分離可能型。 目的語を真ん中に置けます。"Turn off the light" も "Turn the light off" も、どちらも問題ありません。そして目的語が代名詞のときは、必ず分離しなければなりません。"Turn it off" ── "Turn off it" とは決して言いません。
  • 分離不可能型。 動詞と不変化詞はくっついたままです。"I ran into an old friend" は正しいですが、"I ran an old friend into" は正しくありません。

簡単な見分け方はこうです。不変化詞が完了を表す副詞(upoffdownout)のように振る舞うなら、その動詞はたいてい分離可能です。不変化詞が目的語へとつながる本物の前置詞(intoacrossafter)のように振る舞うなら、たいてい分離不可能です。動詞を 1 つひとつ分類する必要はありません。ただ、目的語がどこに置けるかに気を配っておきましょう。

ファミリーで学ぶ戦略

たいていの学習者は句動詞をアルファベット順かランダムに攻めて、溺れてしまいます。もっと賢いやり方は、よく使う動詞を 1 つつかまえて、その一家まるごとを一度に学ぶことです。take offtake overtake intake after をまとめて学ぶと、脳はそれらを「ある共通テーマのバリエーション」として記憶します。バラバラな 4 つの事実としてではありません。共通の動詞がフックになり、不変化詞がそこに掛けていく「違い」になるのです。

このシリーズがやっているのは、まさにこれです。各記事で動詞を 1 つ取り上げ、そこから育つファミリーを掘り下げていきます。

  • Take ── off, over, in, after, on, up, out, back, down.
  • Get ── up, over, along, by, into, out of, through, away with, back.
  • Put ── off, up with, down, on, out, away, through, up.
  • Come ── up, up with, across, around, over, down with, along, out, back.
  • Go ── off, on, over, through, for, out, ahead, up, down.

たった 5 つの動詞で、合わせると日常的な意味を 40 以上も解き放ってくれます。

よくある間違い

  • "I will pick up you at eight." → "I will pick you up at eight." · 代名詞の目的語は分離可能な句動詞の内側に置かねばならず、不変化詞の後ろには決して置けません。
  • "We discussed about the plan." → "We discussed the plan." · 不変化詞を欲しがっているように感じても、実際には取らない動詞もあります。すべての動詞が句動詞というわけではありません。
  • "She looked the word." → "She looked up the word." · 不変化詞を落とすと意味がまるごと変わります。"look up" は調べる、"look" は目を使って見る、です。
  • "He got over of his cold." → "He got over his cold." · 余分な前置詞を足さないこと。その役目はすでに不変化詞が果たしています。

試験のワナ

TOEIC、TOEFL、IELTS のような試験のリーディングとリスニングのセクションは、句動詞が大好きです。コンパクトでイディオム的なので、自信を持って読む人と単語を一つひとつ追う人を切り分けるのにうってつけだからです。典型的なワナの文はこんな感じです。"The new café took off within weeks of opening." 文字どおりに読む人は、何かが地面を離れる様子を思い浮かべます。でも意図された意味は「あっという間に人気が出た」です。戦略はこうです。動詞のあとに不変化詞が続いていて、文字どおりの意味が文脈の中で妙に感じられたら、イディオム的な意味だと仮定し、周りの文に確認してもらいましょう。

ミニ練習

  1. Please turn _____ the music; it's too loud.(消す・止める)
  2. I ran _____ my old teacher at the airport.(偶然出会った)
  3. Can you look this word _____ for me?(調べる)
  4. She takes _____ her mother; they have the same laugh.(似ている)
  5. The meeting was put _____ until next Monday.(延期された)

解答

  1. off ── Turn off は機器を止めます。不変化詞が「オフにする」という意味を加えています。
  2. into ── Run into(分離不可能)は、思いがけず出会うという意味です。
  3. up ── Look up は情報を調べるという意味です。
  4. after ── Take after は親族に似ているという意味です。
  5. off ── Put off はあとの時間へ延ばすという意味です。

ちいさなまとめ

アイデア 覚えておくこと
句動詞 動詞+不変化詞=新しい意味
不変化詞のエネルギー up=完了、off=分離、out=出現
文字どおり vs イディオム "went out"(出かけた)vs "fire went out"(消えた)
分離可能 分けて使う:"turn it off"、"turn off it" は不可
最良の戦略 1 つの動詞の一家まるごとを一度に学ぶ

動詞を 1 つ選び、その一家を学べば、十の意味が十人の見知らぬ他人に感じられることはなくなります。

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