Less と Fewer ―― 文法に怯えず使い分ける

Less と Fewer ―― 文法に怯えず使い分ける

アメリカのスーパーマーケットでは、レジの一車線に "10 items or less" という看板が掛かっています。そのそばで、英語の先生が静かに顔をしかめている ―― 規範的なルールでは "10 items or fewer" が正しいからです。実生活ではどちらの表現もあちこちで見かけ、教科書のルールと実際の話し方とのギャップは、何十年にもわたって学習者を混乱させてきました。

なぜ大切なのか

Lessfewer はどちらも「より少ない量」を意味しますが、組み合わさる名詞の種類が異なります。教科書のルールはシンプル、実生活の用法はもっと曖昧、それでもライティングの試験やフォーマルな文書では今でも採点対象になります。今年比較の量詞のペアをひとつだけ覚えるなら、これが最も実りある一組です。よい知らせは、中心となるパターンが簡単で、例外も限られているということです。

ルール

教科書のルールは率直です。

  • Fewer可算複数 名詞と組み合わせます ―― ひとつずつ数えられるものです。Fewer booksfewer emailsfewer mistakesfewer people
  • Less不可算 名詞と組み合わせます ―― 物質、抽象的な概念、まとまった量です。Less waterless timeless stressless noise

ひと息で言えば ―― 数えられるなら fewer、注いだり感じたりするものなら less

ひとつ重要な実生活の例外があります。時間、お金、距離、重さ の計量については、慎重な話し手でも less を使います ―― 単位の単語が、個別の項目ではなく連続した量を代表するからです。Less than five minutesless than ten dollarsless than two milesless than three pounds。数字は可算に見えますが、根底にある量は連続的なので、less が自然で、標準的な使い方として広く受け入れられています。

そして例のあの看板:「10 items or less」。ネイティブスピーカーは絶えずそう言います。規範文法の論者はそれが "fewer" であるべきだと言います。今日では辞書も文体ガイドも両方の形を掲載しており、現代の用法ガイドの多くは、カジュアルな文脈における可算複数名詞に対する less を受け入れています。学校のエッセイや就職の応募書類では、可算名詞には fewer を使いましょう。会話では、less が聞こえても言ってしまっても慌てる必要はありません。

誤り / 自然な英語 / 理由

誤り 自然な英語 理由
There are less people in the office today. There are fewer people in the office today. People は可算複数。慎重な選択は fewer です。
I have fewer money than last month. I have less money than last month. Money は不可算。less を使います。
She made fewer noise this time. She made less noise this time. Noise は不可算。less が合います。
Try to drink fewer coffee in the morning. Try to drink less coffee in the morning. 物質としての coffee は不可算です。
We had fewer than ten dollars left. We had less than ten dollars left. お金の計量 ―― 複数形の数字でも less が標準です。
Fewer than five minutes remain. Less than five minutes remain. 時間の計量も less を取ります。
The new version has less features. The new version has fewer features. Features は可算複数。文章では fewer が期待されます。
There are less reasons to worry now. There are fewer reasons to worry now. Reasons は可算複数です。

よくある場面

スーパーマーケットで。 速いレーンの看板には "10 items or less" と書いてあります。文法学者を喜ばせるために "10 items or fewer" に静かに変えた店もあります。どちらも理解されます。自分が書く文章では fewer items のほうがよく、カジュアルな会話ではどちらでも構いません。

職場でレポートを見直すとき。 上司が "This draft has fewer typos than last week, but I still want less back-and-forth in email." と言います。同じ人が可算名詞の typos には fewer を、不可算の back-and-forth には less を使っています。この使い分けは標準的で、まねする価値があります。

時間の話をするとき。 "The meeting will take less than thirty minutes." "I have less than an hour before my flight." minuteshours は数える単語ですが、計量の文脈なので less が自然に響きます。Fewer than thirty minutes と言うのは技術的には擁護できますが、自然な会話では稀です。

アプリや製品を比べるとき。 "This phone has fewer apps preinstalled, which means less clutter and less battery drain." Apps は可算なので fewerClutterbattery drain は抽象的なので less。量詞が三つ、どれも正しい選択です。

ジムで。 友達が "I am trying to do fewer reps with more weight, and spend less time on cardio." と言います。Reps は可算、time は不可算です。パターンはまったく違う文脈でも一貫しています。

ライティングの試験で。 採点される場面では、厳密なルールがデフォルトです:可算には fewer、不可算と計量には less。ゆるい用法はカジュアルな会話のために取っておきましょう。

よくある間違い

  • 短くて親しみやすいからという理由で、何にでも less を使ってしまう。Less peopleless mistakesless options は会話ではよく聞きますが、文章では指摘されます。フォーマルな場面では fewer に切り替えましょう。
  • 数字が可算に見えるからといって、計量にも fewer を使う。Fewer than five minutes は堅く響き、ほとんど誰もが less than five minutes と言います。
  • 同じ名詞でも意味によってどちらにも振れることを忘れる。Less coffee(液体、不可算)対 fewer coffees(別々の注文やカップ、可算)。両方とも正しくなり得ます。
  • 単数の不可算名詞に fewer を使う:fewer milkfewer information。これらは常に less milkless information であるべきです。
  • lessleast を混同する。Less は比較級(二つの間で)、least は最上級(三つ以上の中で)です。Less stress than yesterdaythe least stress all week
  • less の意味で more less と言う。比較級はひとつに ―― I want less sugar であって、more less sugar ではありません。
  • peoplechildrenstaff を不可算として扱う。慎重な英語では fewer を取ります:fewer peoplefewer childrenStaff は集団として見るか個人として見るかで、どちらにもなり得ます。

ミニ練習

それぞれの空欄を less または fewer で埋めましょう。

  1. We had ___ visitors than expected this weekend.
  2. She wants to spend ___ time on social media.
  3. There were ___ than three people in line.
  4. The recipe calls for ___ sugar than the old version.
  5. He made ___ mistakes on this test, which means ___ stress for everyone.

まとめ

数えられるものには fewer、数えられないものには less ―― ただし時間、お金、距離、重さの計量は例外で、less が標準です。文章では厳密なルールに従いましょう。会話では、ネイティブスピーカーが可算複数名詞に less をすべり込ませても驚かないでください。スーパーマーケットの看板でさえ、絶えずそうしているのですから。


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