英語の仕事は "Get" が全部こなしている
もし英語の動詞たちが残業時間を記録していたら、"get" はくたくたの 1 人でしょう。起きて(get up)、服を着て(get dressed)、コーヒーを手に入れ(get coffee)、職場に着き(get to work)、風邪から回復し(get over a cold)、同僚と仲良くやる(get along with your coworkers)── これ全部、昼食前の話です。"get" は英語でいちばん忙しい動詞かもしれず、その句動詞ファミリーは膨大です。働きに見合った注目を、ここでたっぷり注いであげましょう。
さくっと結論
get の根っこは「新しい状態や位置に入る」こと ── 動く、得る、〜になる、です。だからこそ、変化と動きにまつわる句動詞にぴったりなのです。Get up =立った状態へ起き上がる。Get over =困難を乗り越える。Get by =ぎりぎりで切り抜ける。Get through =向こう側まで突き進む。"get" を「新しい状態に入る」と聞き取れるようになれば、その数々の顔があなたの注意を奪い合わなくなります。
核となるアイデア
get は移り変わりがテーマです。何かが変わる、到着する、移行する。そのあと不変化詞が、どんな種類の移り変わりかを名づけます。up はあなたを引き上げ、over は障害を越えて運び、through は最後まで押し進め、by は最小限で脇をすり抜けさせ、into は内側へ引き込み、out of は引き離して自由にし、away は逃がし、back は連れ戻し、along は誰かの隣でなめらかに進ませてくれます。動きを感じ取れば、意味がそろっていきます。
自然な例
Get up
ベッドや椅子から起き上がること。"I get up at six on weekdays." "Please get up — that's my seat."
Get over
2 つの意味があり、どちらも「何かを越えて進む」ことです。
- 病気や苦難から回復する。 "It took her a month to get over the flu."
- 何かに悩まされなくなる。 "He still hasn't gotten over the breakup."
Get along (with)
良好で友好的な関係を持つこと。"Do you get along with your neighbors?" "The two of them just don't get along."
Get by
手持ちの最小限でなんとかやっていくこと。"We can get by on one salary for a while." "My grammar isn't great, but I get by."
Get into
入る、あるいは深くのめり込む・興味を持つこと。"How did you get into photography?" "She got into a good university." 口論やもめ事を始める、という意味にもなります。"Don't get into a fight."
Get out of
義務から逃れる、何かを避けること。"He always tries to get out of doing the dishes." 文字どおりには、外へ出る、という意味になります。"Get out of the car."
Get through
終える、乗り切る、あるいは誰かに連絡をつける。
- 作業を終える。 "I have a hundred emails to get through."
- つらい時期を乗り切る。 "We'll get through this together."
- 電話で連絡をつける。 "I couldn't get through to the office all morning."
Get away (with)
Get away は逃げる、または短い旅行に出ること。"Let's get away for the weekend." with を足すと、悪いことをして罰を逃れる、という意味になります。"He cheated and got away with it."
Get back
戻る、あるいは取り戻す。"What time did you get back last night?" "I finally got my book back from her."
意味がひっくり返る対比セット
同じ動詞、3 つの不変化詞、3 つの違う人生です。
- "She got over the deadline stress."(そこから立ち直った)
- "She got through the deadline."(乗り切った/やり遂げた)
- "She got out of the deadline."(まるごと逃れた)
立ち直る、乗り切る、逃れる ── すべて "get" に乗る不変化詞が決めています。
よくある間違い
- "I get up from the bed at seven." → "I get up at seven." · "Get up" にはすでに「ベッドを離れる」が含まれており、余分な語句は不要です。
- "She gets along her sister." → "She gets along with her sister." · Get along は人の前に "with" が要ります。
- "He got away from cheating." → "He got away with cheating." · 罰を逃れるには "from" ではなく "with" を使います。
- "I couldn't get through with the office." → "I couldn't get through to the office." · 電話で誰かに連絡をつけるときは "to" を使います。
試験のワナ
リスニングのセクションが get の句動詞に頼るのは、それらが会話的でイディオム的だからです。試験の会話にはこんなものが含まれるかもしれません。"Don't worry, you'll get over it." 単語を一つひとつ追う人は物理的な移動を聞き取りますが、意味は「感情的に立ち直る」です。戦略はこうです。"get over" のあとに壁やフェンスではなく、感情・病気・問題が続いていたら、「乗り越えて登る」ではなく「〜から立ち直る」と読みましょう。不変化詞を目的語の種類に合わせれば、イディオムはおのずと解けます。
ミニ練習
- It took weeks to get _____ such a bad cold.(〜から回復する)
- We don't earn much, but we get _____.(なんとかやっていく)
- He never gets _____ his coworkers.(良好な関係を持つ)
- She somehow got _____ with arriving late every day.(罰を逃れた)
- I have three chapters to get _____ tonight.(終える)
解答
- over ── Get over は、病気や苦難から回復するという意味です。
- by ── Get by は、最小限でなんとかやっていくという意味です。
- along with ── Get along with は、友好的な関係を持つという意味です。
- away ── Get away with は、罰を逃れるという意味です。
- through ── Get through は、ある量の作業を終えるという意味です。
ちいさなまとめ
| 句動詞 | よく使う意味 |
|---|---|
| get up | ベッド/席から起きる |
| get over | 回復する/悩まされなくなる |
| get along (with) | 良好な関係を持つ |
| get by | 最小限でやっていく |
| get into | 入る/興味を持つ |
| get out of | 逃れる/避ける |
| get through | 終える/乗り切る/電話で連絡をつける |
| get away (with) | 逃げる/罰を逃れる |
"get" を「新しい状態に入る」と聞き取れば、英語いちばんの働き者もようやく一息つけます。
